園長先生のコラム

♪ コラム 【 2011年5月号 】

 今の時期、幼稚園の登園の時間大騒ぎとなっています。
ことに年少さんのクラスで大泣きの園児がたくさんいます。
「お母さんがいい~」「お家に帰りた~い」
大抵は一時的ですぐに遊びに入っていくのですが、中には先生にずっと抱っこされている子もいます。
3歳前後の子どもの意識は「自分は母親の一部」と思っているのです。
ですから、離れることは子どもたちにとっては、不安であり不自然な行為と感じているのです。でも、子どもはここで、大きく成長してゆきます。
「お母さんと自分は違う。お母さんがいなくてもここでがんばれる」
5月の連休でまた、少し甘える気持ちが強くなってしまっても、早くお母さんとの「つらい別れ?」を乗り越えて「幼稚園がいい~」となって欲しいですね。
 4歳前後の子どもにとって母親は自分と違うことを理解するのですが、(ですから4歳前ぐらいからとても母親に反抗的になるのです。)自分とお友達が違った存在とは思っていません。
積み木遊びをしている子どもの隣の子どもがやっぱり積み木遊びを希望しているとは限りません。
でも、積み木遊びをしている子どもはみんなが自分と同じ気持ちになっているはずと思っているのです。
気持ちのずれを言葉でうまく伝えられなくて「イライラ」してつい手が先に、或いは乱暴な行動に出てしまうことがあります。
月齢の差や性格の違いでお友達どうしの衝突が多く見られるようになります。
でも、それは年中さんが大きく成長する年代である証しなのです。
 5歳くらいになると「あの子と自分は違う」ということが理解できるようになります。ただ、違うことがわかってくると他の人との比較がはじまり劣等感を持ったり、自信を失うという子どもが出てきます。
「一つ叱って、三つ褒め」ということわざがありますが、本当にそう思います。
子どもだけでなく大人でも「駄目じゃない。早くしなさい。」ばかり言われていると本当に自分は駄目な人間、のろい人間と思ってしまいます。
人は褒められると嬉しくなりもっと褒めて欲しいからまた頑張ろうかなと思うものです。
ましてや、大好きなお母さんやお父さん、先生に褒められるとなおさらです。
上手に褒めて、驕ることなく成長させましょう。
 入園して、また進級して1ヶ月いろいろな戸惑いの中ではありますが、爽やかな5月にしたいものです。
 園長も副園長も北陸から転任したばかりで三重県のこと津市のこと地域性も何もわからないことばかりです。
でも、聖ヤコブ幼稚園の子どもたちのきらきら輝く美しい瞳に励まされています。
よろしくお願いいたします。

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・・ 今月のみ言葉 ・・

「 わたしの目には、あなたは高価で尊い。 」 
新改約聖書 イザヤ書 第43章 4節

神さまに祝福されるべきイスラエルの王国は、ダビデ王、その子ソロモン王の栄華の後、紀元前931年南北王朝に分裂しまいます。そして、北イスラエル王国は紀元前722年アッスリア帝国に滅ぼされます。さらに、南ユダ王国も紀元前598年新バビロニアによってエルサレムは陥落、翌年有名なバビロン捕囚が始まります。すべてを失った(国家、神殿、国王)ユダヤの民は絶望してゆきました。そんな困難な捕囚の時代に神さまからのメッセージをイザヤと呼ばれる預言者(預言者とは神さまの言葉を預かった者という意味です。)が語りかけます。それは、「神の目から見るとユダヤ民族は、高価で尊いのですから希望を持ちなさいね」という励ましの言葉でした。

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