園長先生のコラム

コラム 【 2022年7月号 】 「 七夕の星のお話 」

 7月といえば七夕祭りですね。津市の七夕祭りに聖ヤコブ幼稚園も協力しています。
今日のお話は七夕のお話ではなく空の星のお話をしたいと思います。

 梅雨が早くあけたので夏の夜空のお星さまがきれいに見える日が多くなりますね。特に6月の下旬から7月の初めの頃はお月さまの影響も少なくていいと思いますよ。
東のほうを向いて見上げたところに大きく光る3つのお星さまがあります。一番光が強く上にある星の名前は「こと座」のベガ(織姫星)、ベガから右下にあるのが「わし座」のアルタイル(彦星)、ベガから左下のあるのが白鳥座「デネブ」です。この三つの星を結んだ三角形を「夏の大三角」と言います。
 僕も子どもの頃から夜空が好きで宇宙に興味と憧れを持ち小学校の5年生の時自作で望遠鏡をつくりました。中学校で改良を加え(筒をブリキ製に変え経緯台を付けサイドスコープ取り付けた)性能もアップしました。また高校2年の夏休み1か月かけてカメラで星を追いかける赤道儀を町の金属加工工場で旋盤を借りて制作したのを懐かしい思い出になっています。今ではそのころの知識が趣味のボート釣りでの地文航法に役立っています。
 話を星に戻しましょう。空のキラキラ輝く星はほとんどすべて恒星と呼ばれる太陽と同じ自分で光っている(光っているというか原子の核融合が起こっている)のですが織姫星こと座ベガは実の太陽の2.7倍の大きさで重さは太陽の2.5倍もあるそうです。地球からの距離は25光年もあります。光というのは1秒間に30万㎞地球7周半ものスビードで進みますがその速さでも25年もかかるほど遠くにあります。ですから太陽の2.7倍もあるのに遠くだからキラキラときれいに光っているだけなのですね。
 彦星のわし座のアルタイルは太陽の1.6倍の大きさで重さは1.8倍もあるそうです。地球からの距離は17光年(大体170兆kmくらいかな)ぐらいらしいです。星と星の距離ってすごい離れているでしょう。すごいね、だって太陽があんなに輝いて見えるのは地球からの距離が光の速度で8分つまり30万×60秒×8分=1億4400万kmだそうです。近いからあんなに輝いてるのですね。
 七夕のお話では織姫さんと彦星さんが年に一度会えるという話ですが実際はどれほど離れているのでしょうか。織姫星ベガと彦星アルタイルの距離は16光年(約160兆km)光の速度で16年、つまり往復光速32年かかるのだから瞬間移動しかないわけですね。でも光の速度を超えると長さが無くなり質量が無限大になるから存在できなくなる理論があります。アインシュタインという偉大な科学者が相対性理論という論文で発表しています。あまり夢のない話はこれくらいにしてもう一つの大きな星「白鳥座」のデネブですが非常に大きな星だそうです。ベガやアルタイルは太陽の2~3倍程度なのにくらべてデネブは重さで太陽の15倍、大きさは半径が108倍もあるので100万倍以上ということになりますね。ですから光度は太陽の54400倍もあるそうです。ところがそんな大きな星なのですが地球からの距離がまた遠いのですね。約1400光年も離れているのです。すべての恒星の中でも最大級の明るさを誇っています。
 ただ恒星進化論という考え方によりますと数千万年後デネブは赤色巨星を経て超新星爆発してその一生を終えるといわれています。少し寂しいですね。

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