園長先生のコラム

コラム 【 2020年7月号 】 「 七夕考 」

もうすぐ七夕ですね。
いつもなら幼稚園の玄関にも大きな笹飾りがありました。またいつもでしたら7月に入ったら自分の笹をおうちに持って帰って願いを込めて飾り付けをします。
でも今年は新型コロナの影響で取止めました。残念です。
キリスト教主義の多くの幼稚園は五節句について「キリスト教以外の宗教性は認めない」という観点からか、園行事から外している幼稚園も多いのですが私の関わる幼稚園では七夕を日本の季節感を持っているひとつ文化のとして園行事に取り入れています。
もともと七夕は古くから行われている日本のお祭り行事で節句(季節の変わり目をあらわし祝う日)のひとつと言われています。
子どもの頃、毎年7月7日の夜に願い事を書いた色彩豊かな短冊や飾りを笹の葉につるし星に(ことに織姫「ベガ」とひこ星「アルタイル」)に願い事をした覚えが皆さんにもあると思います。

七夕の起源には諸説ありますが、
① もともと日本の神事の「棚機(たなばた)」、これは日本の古い禊(みそ)ぎ行事で乙女が着物を神棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈ったり穢(けが)れをはらうというもの。
② 織姫と彦星伝説に奈良時代に中国から伝来した乞巧奠(きこうでん)「織姫星にあやかってはた織や裁縫が上達するようにと7月7日のお祈りする行事」が合わさったものと言われています。

ところで、夏の星座を代表する琴座のベガとよばれる織女星は裁縫の仕事、そして鷲座のアルタイルと呼ばれる牽牛星は農業の星と考えられていました。
旧暦7月7日頃天の川を挟んで最も光り輝くことから七夕ストーリーが生まれたといわれます。七夕の夜に雨が降ると(今の暦では梅雨時で雨が多い)二人は会えないと言われます。ところが雨はおりひめの嬉し涙で、その雨水は穢れを洗い清める力があるといわれるところもあります。
旧暦の頃は今の8月12日にあたり干ばつに苦しむ地方ではかえって七夕の雨を願ったということもあったようです。
でもやっぱり私たちは七夕の夜、梅雨空にちょっと休憩してきれいな星空に向かっていろいろな思いや願いをもって見上げてみたいものですね。

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