園長先生のコラム

コラム 【 2017年4月号 】 「 桜と教育勅語 」

聖ヤコブ幼稚園の園児の皆さん、ご入園、ご進級おめでとうございます。
昨年、枝を大きくカットしたので枯れてしまわないかと心配していましたが、園庭のブランコ横の桜、見事に咲いてくれました。

旧日本海軍の有名な軍歌に「同期の桜」というのがあります。

「貴様と俺とは同期の桜、同じ兵学校の庭に咲く咲いた花なら散るのは覚悟見事散りましょ国のため」

70数年前、多くの将兵が特攻機に乗り散っていきました。
彼らは靖国神社に祀ってくれると信じそして靖国神社に咲く桜の花に譬えながら死んでいきました。
10年程前、初めて靖国神社を訪問する機会がありました。
社務所の受付横に「ご自由にお持ちください」とパンフレットのようにというか、まさにパンフレットなのでしょう、「教育勅語」が印刷されて置いていました。
印刷された「教育勅語」を手にしたのは初めてでした。

先日、国会で教育勅語についての論議がなされていましたが、稲田防衛大臣が「教育勅語」に対して理解し得る発言がありました。
「教育勅語」は明治天皇の名の下に1890年〈明治23年〉10月30日に発せられた教育に関する勅語〈天皇の言葉〉です。
それは歴代天皇のお考えや思想であり、忠孝(天皇に仕え親孝行)を美徳とすることを国民教育の中心に据えることを目的としていると考えられます。
そして、この教育をもって日本は戦争へとまっしぐらに進み悲しみの終戦を迎えたのではないかと考えます。
戦後、新憲法のもと「教育勅語」は1948年〈昭和23年〉国会においてその失効及び排除を決議しています。

祖国を愛すること、親を愛することそれは大切なことと思います。
でもそれは他の国や肉親以外を排除したり侵略したりすることと同義語とは思われません。
平和な国、平和をつくりだす国となってほしい。
そして、美しい桜が似合う国となるような教育をなしなければならないと思うのです。

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・・ 年主題聖句 ・・

「あなたがたは神に愛されている子どもです。」
~エフェソ 5章1節~

「天上天下唯我独尊」という言葉があります。「天に於いても地においても私という存在は独りであるがゆえに尊い存在である」という意味です。どんなに辛いとき寂しいときでさえも自分は神さまに愛されている存在、神さまの子どもとして生かされていると信じたいものです。

・・ 聖句と今月のみことば ・・

「あなたがたに平和があるように。」
~ヨハネ 20章26節~

今年の4月16日はイエスさまのご復活の日です。ご復活されたイエスさまがそのご復活を信じないトマスという弟子の前に現れます。そして家に入ってこられて最初の言葉が「あなたがたに平和があるように」でした。平和とは単に戦争や紛争のない状態ではなく、人びとが繁栄して安心して不安なく、自由で幸せな状態をいいます。イエスさまは私たちに真の平和をもたらしてくれます。

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