園長先生のコラム

♪ コラム 【 2016年8月号 】 「 平和をつくり出す人々 」

今月の聖句は「平和を実現する人々は、幸いである」です。
バングラデッシュで起きたテロで20人の人質が殺されました。
そしてその内7人の日本人がその尊い命が奪われました。
犠牲者の中には2人の日本人女性が含まれています。
お2人とも国際協力のお仕事をされていました。
発展途上国のために貢献することを夢見て大学院まで勉学に勤しみやっとその夢が叶った矢先の不幸に激しい痛みを感じざるを得ません。

僕もバングラデッシュをはじめ多くの発展途上国における医療関係の国際協力奉仕団体の支援に長年関わってきました。
バングラデッシュには友人夫妻(医師と看護師)が10年間も家族でご奉仕に行かれ大きな働きをされたこともありそんなに遠い国のような気がしません。
それは日本キリスト教海外医療協力会というキリスト教関係の奉仕団体です。
派遣される国の多くが南アジア、東南アジア、アフリカ各国です。
それらの国々の多くが非キリスト教国です。中でもイスラム教人口が際立って多いことに気づかされます。
派遣奉仕された方々がそろって言われることは「困っている人々、苦しんでいる人々に宗教と国境はありません」ということです。
1979年にノーベル平和賞に輝いたかのマザーテレサの働きは主にインドのコルコタ(旧カルカッタ)における貧しい人々に対するものでした。
決してキリスト教の布教活動を中心においたものではありませんでした。
貧しく死に行く人々に「平安」をただただ与えて寄り添うものでした。
テレサは死に行く人が望む方法(葬儀)を行ったのです。
パリ、ダッカで、また世界各地での過激派のテロ行為はおよそ「平和をつくり出す人」とはいえません。

悲しい出来事が起きても怒りに負けることなく心の痛み耐えこれからも貧しい国で働く人々平和をつくり出す人々のため祈り続けたいと思います。
夏休みが始まります。
病気や怪我、事故がなく楽しい夏休みでありますようにお祈りします。

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・・ 年主題聖句 ・・

「キリストはわたしたちの平和であります。」
~エフェソ 2章14節~

エフェソの信徒への手紙2章11節から22節は「キリストにおいて1つとなる」をテーマに書かれています。一致というのはこの書のテーマでもあります。「平和」の概念はギリシャ語ではおよそ戦争がない時期のことをいいますが平和(シャローム)は神の「真実」や「契約」などとともに用いられ「時期」よりむしろ平和な「関係」を示す語といえます。

・・ 聖句と今月のみことば ・・

「平和を実現する人々は、幸いである。」
~新共同訳聖書 マタイによる福音書5章9節~

有名な「イエスさまの山上の説教」の1節です。原文では平和を意味するシャロームと言う語が用いられています。それは人間の最高の幸福つくり出すすべてのものと理解される言葉です。そして平和の根源は神にあり神から送り出されたイエスさまは平和を実現する人となられたのです。人類の歴史はこの平和の不安定さ不確実性の繰り返しでありました。そして不安定な状態から来る人々の不安感からの開放がイエスさまの十字架であることを信じることが信仰と言えるかもしれません。

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