園長先生のコラム

♪ コラム 【 2015年5月号 】 「 鯉のぼり 」

昔、中学1年生になって初めて鉄筋コンクリート3階建ての校舎の屋上から写生したときのことです。
(でも1年の僕の校舎は木造でした)すてきな景色に見とれてしまい、スケッチにずいぶんと時間がかかったのを覚えています。
まさに、童謡で文部省唱歌 作詞 不詳 作曲、弘田竜太郎の「鯉のぼり」
1.
甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり。
2.
舟をも呑(の)まん様見えて、
ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、
物に動ぜぬ姿あり。
3.
百瀬(ももせ)の滝を登りなば、
忽(たちま)ち竜になりぬべき、
わが身に似よや男子(おのこご)と、
空に躍るや鯉のぼり。
を口ずさんでしまう景色でした。

ごく小さいときから、この季節、端午の節句には鎧兜や武具の飾り、加藤清正の虎退治の屏風を長持から出して飾ってくれました。
子ども心に「自分を大切にしてくれている。立身出世を期待してくれている」と嬉しい思いとあるプレッシャーみたいなものを感じたのを懐かしく思い出します。

ところで、この作曲者の弘田竜太郎先生は1892年(明治25年)高知県安芸市に生まれました。お母様が一絃琴(いちげんきん)の名手といわれその音楽的な才能が遺伝したのだといわれます。
お父様の転任で千葉師範学校付属小学校に進みそして、中学は三重県立第一中学(現三重県立津高校)の出身ってご存知でしたか。津高校の中庭に記念碑があるそうです。
その後東京音楽学校(現東京藝術大学)のピアノ科に入学しました。
この「鯉のぼり」の作詞者は不詳なのですが、作曲は先生の藝大在学中だったそうです。先生はその後戦、NHKの子どもラジオ番組の指導や児童合唱団指導、指揮に活躍されました。晩年はご長女夫妻が創設された幼稚園の園長先生となって音楽を幼児教育に積極的に取り入れリズム遊びなどの指導にあたっていました。

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・・ 聖句と今月のみことば ・・

「初めに、神は天地を創造された。」
~新共同訳聖書 創世記1章1節~

聖書(旧約聖書39巻と新約聖書27巻合わせて66巻)の冒頭のことばです。簡単に言っているようですがすごい言葉ですね。15年程前に頚椎の病気で京都の病院に入院して体を完全に固定され天井しか見られない日々がひと月ほどありました。そのとき、この聖書の言葉にどれだけ慰められたかわかりません。

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