園長先生のコラム

♪ コラム 【 2013年6月号 】 「 そして父になる 」

第66回カンヌ国際映画祭に、日本映画の「そして父になる」が正式コンベンション部門の作品に選ばれ、5月18日夜(日本時間19日未明)公式上映されました。
上映後は、約10分間のスタンディングオベーション(総立ちの拍手)が起こって監督の是枝裕和さんと主演の福山雅治さんは「男泣き」だったとの報道がありました。
5月25日(日本時間26日未明)同作品は「審査員賞」を受賞しました。
今年の10月5日公開予定らしいので詳しくはその時までお楽しみにしましょう。

エリートビジネスマン野々宮良多役の福山雅治はある日、6歳になる息子慶多が実は、出生時に病院内取り違えられた他人の子供だったことを知ります。
妻のみどり共々大きなショックを受けた良多は、重大な決断を下さなければならない事に苦悩しながらも、取り違えの相手である斎木夫妻との交流を通して成長していくというあらすじらしいのです。

実は、この絶対にあってはならない事件(事故?)が実は1965年滋賀県大津市の日赤病院で起きました。当時は赤ちゃんの足の裏にマジックで名前を書いて識別する病院が多かったのですが、そこでは赤ちゃんにインクの中毒が起こってはいけない、また木札を胸にかけることも検討されましたが怪我をしてはいけないということで識別法なしで取り扱ったために事故が起こったのでした。
出産直後から母親と同室にすれば安全と考えられていたため誰も予想していなかったのです。ところが看護師が慢性的に不足していたことと入浴時間同時に2人を入浴したこと、そして母親が出産の疲労と元気な赤ちゃんを産んだ安心感で取り違えに気が付かなかったことが、悲劇の始まりだったようです。
4歳になって幼稚園に行かせる頃偶然血液型から夫婦の子どもでないことがわかってしまったのです。

このような赤ちゃん取り違え事件は、この頃全国で多発してきました。
1973年の熊本で開かれた学会では全国で64人いることが報告されています。
いずれのケースも実子を引き取る結果となっていますが、どれほどの苦しみを親子が味わったか厭な事故:事件です。
後に、新生児4人に対し看護師1人を置くことが法律で定められました。
看護師の不足と看護師の過誤といえばそうなのですが、行政の責任は大きいものと言えます。この事件以後、現在もそうですが母と子が同じプラスチックのリングがつけられ退院まで外すことがないようにしています。それ以降事件はおきていません。

母親(子どもを10カ月お腹で育てた)でさえ生まれてすぐ取り違えられたら気が付かないのだから、まして父には日々に表情が変わってゆく赤ちゃんの成長に対して「この子は僕の子?」と疑うことすら想定外です。
そういえば、僕も初めての子どもを持ったときはどうして赤ちゃんと接したらいいのか自信もなく、妻に頼るばかりの情けない存在であったのですが、子どもを育てる過程で段々父としての自覚と責任のようなものがついてきたような気がします。

「父の日」(今年は6月16日)のある今月「そしてさらに良き父となって」くださいますようお祈りいたします。

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・・ 聖句と今月のみことば ・・

「イエスは知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された」
ルカによる福音書第2章52節

おそらく、旧約聖書の大預言者サムエルの成長「少年サムエルはすくすくと育ち、主にも人々にも喜ばれる者となった。」サムエル記上2:26に由来する言葉でしょう。福音記者ルカはサムエルの文を通してイエスさまは「聖なる者」としてのナジル人(選び出された特別な人種という意味)だけでなく「聖なる者、神の子」として「神と人とに愛された」と考えたのでしょう。
そしての句は、イエスさまの公的宣教生活最初の神からのイエスさまの紹介「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」ルカによる福音書3章22節への伏線ではないでしょうか。

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